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■アンダーグラウンド (講談社文庫)

アンダーグラウンド (講談社文庫)
村上 春樹
アンダーグラウンド (講談社文庫)
定価: ¥ 1,090
販売価格: ¥ 1,090
人気ランキング: 43045位
おすすめ度:
発売日: 1999-02
発売元: 講談社
発送可能時期: 在庫あり。

マスコミが失ったジャーナリズム
この本には、地下鉄サリン事件の記憶が閉じ込められています。
沢山の記憶の欠片が叫びとなって、戦慄の瞬間を物語っています。
確かに映像のような衝撃や脳裏に焼きつくような印象は、読んでいるうちはあまり感じられないでしょう。
ですが、読み進めるうちに、沢山の日常生活に生じた悲劇と非日常に、読者は引きずりこまれます。

この本は、まさしく報道です。
ワイドショー化したテレビには失われた、真実が伝えられることの大切さがあります。
テロリズムの、カルトの、壊れた日本の現実とそこで生じた犯罪と被害者の悲劇を読者は知ることができるはずです。


村上春樹は木をみることに徹した
 地下鉄サリン事件の被害者一人一人にに村上春樹が直接インタビューして集めた体験談集。 『地下鉄サリン事件』 というひとつのテロ事件が日本人にとって一体どういうものであったか理解する上で,この本に勝るものはおそらく無いのではなかろうか。 

 マスコミによる地下鉄サリン事件の報道では,オウム側の犯罪手順や思想等について詳細な分析がなされたのに対し,最も苦しんだはずの被害者達は単に 『かわいそうな人々』 というカテゴリにひとくくりにされただけだった。 筆者は直接被害にあった人達の一人一人にじかに会って,彼らの生い立ちや仕事,生活背景などについて細々と話を聴くことにより,地下鉄サリン事件というものが一人一人の被害者の人生において一体どういう衝撃であり,どういう爪痕を残したのかを理解したかったという。

 何か物事を理解しようとするとき, 『木より森を見よ』 という言葉があるが,筆者は木の一本一本をつぶさに眺めることに徹していた。 また, 『自分が現在前にしているインタビュイーの一人ひとりを,個人的に感情的に好きになろうとつとめた』 と語っていた。 人それぞれが異なった生活背景や人生経験,性格をもっているものだし,それぞれが人間社会のドラマの中で重要な役割を演じているものなのである。 人間というものの社会や歴史を見つめる場合も,そのことを忘れてはならないと感じた。

アンダーグラウンド (講談社文庫)

「職業倫理」という言葉が心に残った
 本書は、オウム真理教の地下鉄サリン事件で被害にあった方々に取材をしたノンフィクション。その中に地下鉄職員で亡くなられた高橋さんと同僚だった豊田さんのインタビューがある。豊田さんは、オウムみたいな人たちがが出て来ざるを得ないような社会風土、言い換えると「モラルの低下」を日々感じていたという(掃き終えたばかりのところにタバコを捨てる人がいる、など)。
 村上春樹が「モラルは年を追うごとに低下しているのですか?」と素朴な気持ちで質問したら「それじゃ、少し勉強なさった方がいいですね。自分に与えられた責任を果たすより、他人の悪いところを見て自己主張する人が多すぎます」と毅然と答えた。そんな豊田さんに34年間現場で働いて培った「職業倫理」を村上春樹は強く感じたという。
 私は、地下鉄サリン事件は「職業倫理」を持って私たちの生活を支えてくれている人々が脅かされたという点で本当に恐ろしい事件だったと本書を読んで、初めて感じた。
 「一燈照隅 万燈照国」という言葉を、私は弁護士中坊公平さんの講演記事で知った(読売新聞朝刊99.4.28)。「1つの灯は1つの隅しか照らせないが、一人ひとりがその現場で一隅を照らせば、地域を興し、国全体を照らすことになる」という意味だ。
 職業倫理を持ち、一隅を照らせる小さな光になりたい、と本書を読んで強く思った。
2002-09-09 

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弘道

Author:弘道
弘道:普通にサラリーマンをしつつ、趣味のFXで月収UPを目指す!

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